痛風はビールは駄目でも焼酎ならOK?
痛風なると高尿酸血症を指摘され、ビールを止めて焼酎に変えたりする方が非常に多く、痛風や高尿酸血症の一番の仇のように思われていますが、果たしてそうなんでしょうか。
ビールなどのお酒は、他の食品に比べプリン体の量は多くなく、高尿酸血症や痛風の原因ではないと正反対の意見も出ていますが、果たしてどうなんでしょうか。
ビールが痛風の原因である、血清尿酸値の上昇を引き起こしやすくなるのは確実です。
それに、他のアルコール類と比べてみても血清尿酸値が上昇しやすいことも確かなのです。
このことは、ビールがアルコール類の中で一番多くプリン体を含むためだと考えられます。
尿酸の元になるプリン体は、ビールでは1缶350ml中約20mgの含有量です。
これは、牛肉や豚肉100mgに含まれるプリン体の約1/4〜1/5の量です。
これだけだと、そんなに大したことはない、ビールが痛風の大敵とは呼べないと思いますが、ところがビールは普通大量に飲まれることが多いお酒で、数リットルを飲むこともあり得ます。
それですから、ビールのプリン体が少ないとは言えないのです。
それにまた、ビールのプリン体は他の食物のプリン体よりも吸収率が高い可能性もあります。
更に、アルコールは、アルコール自体の分解に尿酸を生産しますし、尿中尿酸排出を阻害する働きもあるため、血清尿酸値が上昇することが多くあると考えられます。
このために、プリン体を含まない焼酎やウイスキーでも飲めば血清尿酸値が上昇します。
ビールを多く飲んだ後に、痛風発作を起こすことが昔から知られていますが、これは、飲酒をした後に血清尿酸値が急に上昇することから起こるものと考えられます。
ビールも500ml位なら余り血清尿酸値を上昇させることはないとは思いますが、焼酎でも沢山飲めば血清尿酸値を上昇させてしまうことになります。
ワインは血清尿酸値を上げにくい、痛風を誘発しにくいと言われていますが、ワイン好きの痛風患者も多く見られることから、アルコールの飲み過ぎは禁物だと思っていいと思います。